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IoT・スマートデバイス

鍵をかけても車が盗まれる?CANインベーダー・リレーアタックの手口と対策

愛車を守る!車の盗難対策と最新の防犯グッズ紹介の解説イメージ10
安全に生きたい編集部

鍵はちゃんと持ってるのに、車が盗まれることがあるって本当?

はい。最近の車両盗難は、スマートキーや車載ネットワーク(CANバス)を狙う「サイバー寄りの手口」が主流です。物理的な鍵だけでは守れない時代になっています。

警察庁の統計によると、自動車盗難のうち「キーなし」状態での被害が大半を占めるようになっています。つまり、鍵を差しっぱなしにしたから盗まれるのではなく、鍵が手元にあるのに盗まれるケースが増えているということです。

背景にあるのは、リレーアタック、CANインベーダー、キーエミュレーターといった、車載システムを直接狙う攻撃手法です。車はもはや「タイヤのついたIoT機器」であり、盗難対策もサイバーセキュリティ的な発想が必要になっています。

この記事では、最新の手口の仕組みと、一般のドライバーが今日からできる対策を整理します。

現状を警察庁のデータから見る

自動車盗難の発生状況

以下に警察庁のデータを示します。実際の状況を少し確認してみましょう。

自動車盗の認知件数の推移
参照:警察庁

認知件数は警察が自動車盗難を認知、つまり、自動車盗難として届け出を受けた件数です。

データには、「キーあり盗難」と「キー無し盗難」に分かれており、キー無し盗難が全体の7割を占めています。これは、鍵の無い状態で盗まれることが多いことを示しています。

このグラフが示すデータは次のとおりです。減少傾向ですが、現在でもかなりの件数が盗まれていることがわかりますね。

  • 令和3年までは盗難件数が減少傾向にあり、平成15年と比べて約10分の1にまで減少。
  • コロナ終息後、令和4年と令和5年にはわずかに盗難件数が増加。
  • キーなしでの盗難が全体の半数以上を占めており、鍵をかけていても盗まれるケースが多い。

グラフだけ見ていると減っているように感じるけど、年間5000台以上の車が盗まれているんだね!

盗難されやすい車は?

では実際に盗まれている車はどんな車でしょうか?

以下のグラフは令和5年の「車名別盗難台数」の上位車種です。トラック等は除いているようなので、一般家庭で使用されるような車両のランキングですね。

車名別盗難台数(令和5年)
参照:警察庁

アルファード、プリウス、レクサスなど、日常的によく見かける車種が多くリストアップされてるよ。高級車が多いね~

これらの車は、多くの方が所有しているため、盗難のターゲットになりやすいということもありますが、同時に、これらの車が人気であり、高級車であることも理由の一つと考えられます。

高い需要と転売価値がある車は、どうしても盗難のリスクが高まる傾向にあるようです。

盗みの手口を確認

では、実際にどのような形でこれらの車が盗まれるのでしょうか。調査によると、盗難の手口はさまざまありますが、最近の傾向としては、エンジンキーに直接何かをするのではなく、車のコンピューターにアクセスして盗む方法が多く見られます。

車のコンピューターという性質に付け込んだ手口が増えているようですね。

CANインベーダー

出典 STYLE WAGON

CANインベーダーは、車の内部通信システムであるCANバスを悪用した手口です。

盗難者は専用のデバイスを使い、車の内部通信に直接アクセスしてドアロックを解除し、エンジンを始動させます。これにより、イモビライザーのようなセキュリティ機能を簡単に突破できてしまうのです。

コードグラバー

                  出典 KEY110

コードグラバーは、車両のリモコンキーが送信する無線信号を傍受して複製する装置です。

リモコンキーでドアロックを解除したり、エンジンを始動させる際に発信される信号をキャッチし、その信号を再現することで、正規のキーを使ったかのように車を解錠したりエンジンを始動させることができます。

キーエミュレーター(通称:ゲームボーイ)

最近増加しているのが、通称「ゲームボーイ」と呼ばれるキー複製装置を使った自動車盗難です。この装置の正式名称は「キー・エミュレーター」で、エミュレートとは「模倣」を意味します。

本来の使用目的は、スマートキーを紛失した際にリカバリーするためのものです。このような装置がなければ、スマートキーを失くした場合に車を開錠したり、エンジンを始動させることができないため、正しい使い方をすれば合法です。しかし、この装置が盗難者の手に渡ると、キーの信号を模倣して車を不正に開錠し、エンジンを始動させることが可能になります。

リレーアタック

     出典 チューリッヒ保険会社

リレーアタックは、スマートキーの電波を中継して車を盗む方法です。

犯人は、車の近くに潜んでスマートキーの電波をキャッチし、それを車に中継します。この手法により、犯人はあたかも正規のキーを持っているかのように車を解錠し、エンジンをかけてしまいます。

イモビカッター

          出典 GREED

イモビカッターは、車のイモビライザーを無効化する装置です。この手口は比較的古い手口ですが、現在も使われることがあります。

この手口では、イモビライザーの信号をカットし、車のセキュリティを解除してエンジンをかけることができます。特に古いモデルの車やイモビライザーの技術が古い車種は、この手法に弱いです。

愛車を守る防犯対策

じゃあ、車を守るためにどうすればいいの?色々な手口があって困るよ~

これをやっておけば大丈夫という手段はありません。複数の方法を組み合わせて車を守っていきましょう。

車両盗難の手口がこれだけ多岐にわたる中で、愛車を守るためには複数の防犯対策を組み合わせて実施することが重要です。ここでは、効果的な防犯対策をいくつか紹介します。

電波遮断ポーチ

リレーアタックに対抗するために、スマートキーの電波を遮断するポーチ(電波遮断ポーチ)を使用することが有効です。

このポーチにスマートキーを入れておくことで、電波が外に漏れず、車両が不正に開錠されるリスクを大幅に減らせます。

タイヤロック

タイヤロックは、車のホイールに取り付ける物理的な防犯装置です。これを取り付けることで、車を物理的に動かせなくし、盗難の難易度を高めます。タイヤロックは、大きくて目立つため、視覚的にも犯行を抑止する効果があります。

CANインベーダーやキーエミュレーター(通称:ゲームボーイ)のように電子的な認証を突破される手口に対しては、ハンドルロックやタイヤロックなどの物理対策が「時間稼ぎ」として役立つ場合があります。ただし、組織的な窃盗団に対しては単一の対策で完全に防ぐことはできないため、電波遮断・物理ロック・追跡手段・駐車場所の見直しを組み合わせることが大切です。

ハンドルロック

ハンドルロックは、車のステアリングホイールに取り付ける防犯装置です。

こちらも、電子的な認証を突破する手口に対する「時間稼ぎ・抑止」として役立つ物理対策です。ハンドルを固定することで、たとえエンジンがかかっても車を運転できなくします。

ペダルロック

こちらは、ペダルをロックし、車両を動かないようにするものです。

ブレーキ部分でロックすることで、エンジンをかけられても動かせなくします。タイヤロックなどと組み合わせるとより強力です。

GPS追跡装置

車両盗難が起きた場合、追跡手段があれば位置の手がかりを得られる可能性があります。本格的に備えるなら、4G/LTE通信に対応した車両用GPS追跡サービスや、警備会社・車載セキュリティ業者が提供する追跡サービスを検討するのが現実的です。

なお、AppleのAirTagを車両盗難対策として勧める情報を見かけますが、AirTagはGPS発信機ではなく、Appleの「探す」ネットワークを使ってBluetoothでおおよその位置を確認する紛失防止タグです。盗難車の追跡専用機器ではありません。さらに、AirTagには持ち主以外と一緒に長時間移動した際に通知や音で知らせる「迷惑トラッキング防止」機能があるため、犯人側のスマートフォンに検知されて発見・廃棄される可能性もあります。補助的な手段として理解しておく程度が無難です。

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簡易振動アラーム

最近の車両には、簡易振動アラームを搭載することが可能です。

これらのシステムは、車の異常を感知すると即座にオーナーに通知したり、警報音を鳴らすなどして、車両への不正アクセスを防ぎます。また、スマートフォンと連携することで、遠隔操作やモニタリングも可能になります。

ガレージ保管

可能であれば、車を屋内のガレージに保管するのが最も効果的です。

ガレージは物理的に外部からのアクセスを防ぐため、盗難のリスクを大幅に減らします。ガレージには防犯カメラや強化されたドアロックを併用することで、さらに安全性を高めることができます。

物理的に見えなくすることで、対象から外れる事もできます。

盗難防止ステッカー

盗難防止ステッカーは、単体で車を守るものではなく補助的な抑止策です。詳しくは 防犯ステッカーの効果と注意点 で解説しています。

ステッカー単体で盗難を完全に防ぐことはできません。電波遮断・物理ロック・追跡手段・駐車場所の見直しなど、複数の対策を組み合わせることが大切です。

まとめ

以上、車両盗難対策についてご紹介してきました。

盗難の現状と対策まとめ
  • 車両の盗難は減少傾向だが、年間で5000台以上盗まれている。
  • アルファードやランドクルーザー、プリウスなど高級車が盗まれている。
  • 車のコンピュータ機能にアクセスする手口が増加している。
  • ハンドルロックなどの物理的な対策を複数組み合わせることで対策する必要がある

特に、盗難にあいやすい車に乗っている方は、早めに対策を講じることを強くお勧めします。

現代の自動車盗難は、物理的な鍵だけでなく、スマートキー認証や車載ネットワーク(CAN)を狙う電子的な手口へ広がっています。CANインベーダーやキーエミュレーターのような高度な手口は、単一の対策で完全に防ぐことはできません。

そのため、対策は「これ1つで防ぐ」ではなく、電波遮断・物理ロック・追跡手段・駐車場所・保険を組み合わせる発想が重要です。物理ロックは攻撃者の作業時間を長引かせる「時間稼ぎ」として、追跡手段は被害後の復旧を早めるための備えとして位置付け、複数の層で盗みにくい状態を作ることが、現実的な盗難リスクの低減につながります。

また、盗まれやすい車を乗っている場合は、盗難に対する保険に入る事も検討してみてください。保険を見直すことで、盗まれてしまった場合でもお金が返ってくる可能性があります。

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