その有名人は本物?AI偽動画4万件を「投稿元・誘導先・お金」で見抜く
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顔も声も自然なら、一般の人が映像だけで見抜くのは無理じゃない?

その通りです。口元や指の違和感探しを主役にせず、投稿元・次の誘導先・お金の要求を見ると、映像が精巧でも止められます。
有名人本人が話しているように見える動画でも、その顔と声が本人のものとは限りません。
2026年7月12日の報道では、有名人などの顔や声をAIで無断生成したとみられる動画・画像が、約2カ月で少なくとも4万3483件確認され、閲覧数は約3億3500万回に上りました。
先に結論:顔や声の違和感ではなく、動画の外側を確認します。
見るのは「投稿元」「誘導先」「お金」の3点です。
AI偽動画を止める3点
- 投稿元:本人や所属先の公式サイトから、公式アカウントを開き直します。
- 誘導先:LINE、別アプリ、個別チャットへ移されたら、その場で閉じます。
- お金:「必ずもうかる」「個人名義口座へ振込」が出たら送金しません。
動画で3点チェックを確認
「4万3483件」は何の数字か
この数字は、肖像パブリシティ権擁護監視機構が、約2カ月間に確認した「有名人などの顔や声をAIで無断生成したとみられる動画・画像」の件数です。4万3483件すべてが詐欺広告という意味ではありません。
問題は、本人が言っていない内容でも、本人の顔と声で見せられると「この人が勧めるなら信用できる」と感じやすいことです。偽動画が借りているのは、顔だけではなく、その人が積み上げてきた信用です。
法務省も、生成AIの普及などによる肖像・声の無断利用が深刻化しているとの指摘を踏まえ、民事責任の在り方を検討しています。
偽動画から送金までの流れ
| 段階 | 画面に出るもの | 相手の目的 |
|---|---|---|
| 1 | 有名人が投資を勧める動画 | 本人の信用を借りる |
| 2 | 無料講座・人数限定・今だけ | ボタンを押させる |
| 3 | LINEや個別チャット | 外から見えない場所へ移す |
| 4 | 利益画像・成功メッセージ | 安心させる |
| 5 | 少額入金・利益表示 | 追加送金へ進ませる |
| 6 | 税金・保証金・解除料 | 出金前の名目でさらに払わせる |
投資アプリの画面で利益が増えていても、その数字だけでは実際に運用されている証拠になりません。出金しようとした時に、事前説明のなかった税金や保証金を求められたら、追加送金を止めてください。
1分でできる「動画の外側」確認
再生を止めたら、動画のプロフィールやコメント欄から移動せず、別のタブで本人・所属事務所・企業の公式サイトを開きます。公式サイトから案内されているSNSと、今見ている投稿元が一致するかを確認してください。
1 投稿元
公式サイトからSNSを開き直す。名前・顔写真・認証マークだけで判断しない。
2 誘導先
LINE、投資アプリ、個別チャットへ移す理由が出たら、その場で離れる。
3 お金
利益保証、個人名義口座、出金前の追加費用が1つでも出たら送金しない。

青い認証マークが付いていれば、本物と考えていい?

認証表示も大切な手掛かりですが、それだけでは決めません。本人の公式サイトから同じアカウントへ到達できるか、同じ案内が公式発信にもあるかをセットで確認しましょう。
確認1:投稿元を公式サイトから開き直す
アカウント名、顔写真、プロフィール文はコピーできます。動画のプロフィールに書かれたリンクをそのまま信用せず、本人や所属先の公式サイトを検索して、自分で開きます。
- 公式サイトから公式SNSへのリンクをたどる
- 公式アカウントに同じ投資案内があるか確認する
- 所属先や会社から注意喚起が出ていないか確認する
確認2:次の行き先を見る
警察庁は、著名人などになりすました詐欺広告から被害に遭うケースへ注意を呼びかけています。有名人の動画を入口にして、LINE登録、別アプリ、個別チャットへ進ませる場合は、そこで止まります。
動画の話者が有名人なのに、連絡相手は「先生のアシスタント」や知らない担当者へ変わる。この切り替わりも重要な確認点です。
確認3:利益保証と振込先を見る
- 「必ず」「確実」「あなただけ」と利益を言い切る
- 投資資金を個人名義口座へ振り込ませる
- 出金前に税金、保証金、解除料などを先払いさせる
- 追加で払えば出金できると繰り返す
消費者庁は、投資資金の振込先に個人名義口座を指定された場合は詐欺であり、振り込まないよう注意を呼びかけています。
リンクを押したが、まだ送金していない場合
- 偽動画・広告・プロフィール・誘導先URLをスクリーンショットで保存する
- LINEやアプリへ移動しただけなら、相手をブロックして追加の連絡に応じない
- ID・パスワードを入力した場合は、公式サイトから変更し、使い回したサービスも変更する
- アプリを入れた場合は削除し、端末の権限・通知・構成プロファイルを確認する
- カード情報を入力した場合は、不正利用を待たずカード会社へ相談する
証拠として残すもの
投稿URL、アカウント名、広告画面、LINE名、振込先、相手との会話、日時、決済記録を保存します。投稿が削除されても、相談時の手掛かりになります。
すでに振り込んだ場合
- 金融機関へすぐ連絡し、振込先と送金時刻を伝えます。
- 動画、広告、相手のプロフィール、会話、振込記録を保存します。
- 警察相談専用電話 #9110、または消費者ホットライン188へ相談します。
保存用チェックリスト
- 本人の公式サイトを自分で開いた
- 公式発信に同じ案内があるか確認した
- LINEや個別チャットへの誘導で一度止まった
- 「必ず」「確実」「あなただけ」を疑った
- 個人名義口座へ送金していない
- 家族にも「投稿元・誘導先・お金」を共有した
よくある質問
口元や指の崩れを探せば見抜けますか?
映像の不自然さは参考になりますが、それだけに頼らない方が安全です。投稿元、誘導先、金銭要求は、映像が自然でも確認できます。
LINEへ案内されたら、すべて詐欺ですか?
LINEの利用だけで詐欺と決まるわけではありません。ただし、有名人の投資動画からLINEの個別連絡へ移し、利益保証や送金を求める流れは、強く疑うべき組み合わせです。
4万3483件は、すべて投資詐欺ですか?
いいえ。報道された数字は、AIによる無断生成とみられる動画・画像の件数です。本記事では、その中でも視聴者の金銭被害につながる「著名人なりすまし投資詐欺」の確認方法を扱っています。
家族にそのまま送れる一言
有名人の投資動画を見ても、顔や声だけで本物と決めないでね。公式サイトから投稿元を開き直し、LINEへの誘導・必ずもうかる話・個人名義口座が出たら送金せず閉じよう。
出典・公式情報
- テレビ朝日:生成AI動画や画像で有名人の顔や声を無断使用
- 法務省:肖像、声等の無断利用による民事責任の在り方に関する検討会
- 警察庁:SNS型投資詐欺
- 消費者庁:SNSなどを通じた投資や副業といった「もうけ話」にご注意ください
本記事は2026年7月17日時点の公表情報をもとに作成しています。
