AIクマ検知システム「BE ALERT」とは?クマを倒す装置ではなく“近づく前に気づく”ための安全対策
🛡️ この記事について:「情報処理安全確保支援士」(IPA認定 国家資格)保有者が執筆・一次情報を確認しています。参照先は警察庁・IPA・消費者庁など公的情報を優先。 → 編集方針・運営者情報

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最近クマのニュースが多いよね。AIでクマを検知する「BE ALERT」って装置があるって聞いたけど、これってクマを倒してくれる機械なの?

結論から言うと、BE ALERTもIKAZUCHIも「クマを倒す装置」ではないんだ。AIカメラでクマの接近を早く見つけて、音や光で「近づかせない」「人に知らせる」ための予防の道具だよ。倒したり捕まえたりする機能はないし、確実に追い払える保証もない。まずそこを正しく押さえておこう。
⏱️ 30秒でわかる|BE ALERT・IKAZUCHIの正体
(1)BE ALERT=固定設置型のAIクマ検知・警告システム——AIカメラで検知し、警告音・撃退音で人に知らせる。(2)IKAZUCHI=携帯型のクマ撃退器——遭遇時に音と光で接近を抑えるための装置。(3)どちらも「倒す装置」ではない——殺傷・捕獲はせず、確実に逃がせる保証もない。(4)役割は「早く気づく・知らせる・近づけない」予防型の補助対策。(5)生ゴミ管理・出没情報の確認・単独行動を避けるなどの基本対策が前提。
近年、全国各地でクマの出没情報や人的被害が相次ぎ、自治体や観光施設、宿泊施設、工場、学校、福祉施設などで「クマ対策」への関心が高まっています。
その中で注目されているのが、株式会社防除研究所が展開するAIクマ検知システム「BE ALERT(ベアラート)」と、携帯型クマ撃退器「IKAZUCHI(イカズチ)」です。テレビや新聞、Webメディアでも紹介され、2026年5月の「地域防災 EXPO」への出展をきっかけに、複数の報道で取り上げられました。
ただし大切なのは、これらの製品は「クマを倒す装置」ではないということです。クマを攻撃して無力化するものではなく、クマの接近を早く検知し、人に知らせ、音や光で近づきにくくすることを目的とした安全対策です。この記事では、各製品の仕組みと「何ができて、何ができないのか」を、公表情報・報道をもとに整理します。
この記事の結論
- BE ALERT/IKAZUCHIは、クマを攻撃・無力化(殺傷・麻痺・捕獲)する装置ではない
- 目的は「接近を早く検知し、人に知らせ、音・光で近づきにくくする」こと
- 音・光で逃げるクマもいるが、すべてのクマが必ず逃げるとは限らない(メーカーも「完全な安全を保証するものではない」と明記)
- 価格は契約形態・設置条件によって変わる。報道や公式リリースで紹介された金額は参考にとどめ、必ず最新の見積もりを公式に確認する
- AI機器は基本対策(生ゴミ管理・出没情報の確認・単独行動回避など)の置き換えではなく、上乗せの補助
メーカー発表や報道で使われる言葉を、先に整理しておきます。
- BE ALERT(ベアラート): 固定して設置するタイプの、AIによるクマ検知・警告・撃退システム。
- IKAZUCHI(イカズチ): 人が手元に持ち歩く、携帯型のクマ撃退器。
- 「撃退」の意味: ここでの撃退は「倒す」ことではなく、音や光で驚かせ、近づきにくくする・遠ざけること。
🐻 BE ALERTとは?
BE ALERTは、固定設置型のAIクマ検知・警告・撃退システムです。株式会社防除研究所の発表によると、AIカメラでクマを検知し、警告音声や撃退音を発することで、周囲の人に危険を知らせ、クマとの遭遇を防ぐことを狙った製品とされています。
BE ALERT の主な仕様(メーカー公表値)
- AIカメラでクマを検知し、検知した瞬間に警告音声・撃退音を発する(メーカーはAIによるクマの認識率を99%としています)
- 検知距離:昼間は最大110メートル、夜間は最大80メートル先のクマを検知
- IRナイトビジョン、WDR、AC100V電源、寒冷地対応など、屋外運用を想定した仕様
※数値・仕様はメーカー公表値です。最新の仕様は公式情報をご確認ください。
つまりBE ALERTは、家庭用の小さな防犯グッズというより、自治体・工場・観光施設・宿泊施設・林業/建設現場・学校・福祉施設など、人が活動する屋外エリア向けの安全管理システムと考えた方が近い製品です。
📍 どこに設置できるのか?
想定される設置場所は、たとえば次のようなところです。
- 山に近い施設の出入口
- 観光施設やキャンプ場の敷地境界
- 工場や物流倉庫の外周
- 林業・建設現場の作業エリア
- 学校や福祉施設の屋外スペース
- 生活道路や通学路の周辺
- 農地や倉庫の周辺
💡 ポイントは「出てから気づく」ではなく「近づく前に気づく」
クマが出てから人が気づくのではなく、人とクマが近づく前に気づくこと——ここがこうしたシステムの狙いです。特に夜間や早朝など人の目が届きにくい時間帯・場所では、カメラとAIによる監視が補助的な役割を果たす可能性があります。
🔊 具体的にどう「撃退」するのか?
BE ALERTは、クマを検知した際に警告音声や撃退音を発する仕組みです。報道では、人が通っても反応せず、クマに特化して検知するAIカメラとして紹介されています。検知後はクマが苦手とされる音を出し、近づきにくくする・その場から遠ざけることを狙います。
⚠️ ここでの「撃退」は、クマを倒すことではありません
音や光で驚かせる・嫌がらせる・人のいる方向へ近づかせない——これが基本的な考え方です。クマを物理的に攻撃したり、無力化したりする機能ではありません。
⚡ IKAZUCHIとは?
IKAZUCHIは、携帯型のクマ撃退器です。BE ALERTが固定設置型で「近づく前に気づく」ための装置だとすれば、IKAZUCHIはもしクマと遭遇してしまったときに、人が手元で使うための装置という位置づけです。
IKAZUCHI の主な仕様(メーカー公表値・プレスリリース)
- 撃退音:110dB以上(切替式)。同社リリースでは、第三者機関(東京都立産業技術研究センター)による測定値として約120デシベル級の音圧が示されています
- 超高輝度LED:12個
- 本体重量:約579g
- 満充電で約300回動作(1回約10秒の場合)
山林作業、施設巡回、警備、自治体職員の見回り、通学路の見守りなど、クマが出る可能性のある場所で人が携帯する使い方が想定されます。
💴 価格について(報道・公式リリースの値・要確認)
報道では、BE ALERTが1台252万円、IKAZUCHIが19万8,000円と紹介されています。一方、BE ALERTの公式リリースには「月額40,000円・3年間」というサブスクリプション型の記載もあります。実際の導入費用は設置条件や契約形態によって変わる可能性があります。導入を検討する場合は、必ず最新の見積もり・条件を公式(メーカー)に確認してください。
🤔 クマは本当に逃げるのか?
ここは慎重に考える必要があります。音や光によってクマが逃げる可能性はありますが、すべてのクマが必ず逃げるとは限りません。
CBCの報道では、防除研究所の代表が「効くクマと効かないクマがいるため、音を変えて慣れさせない」という趣旨の説明をしています。つまり、BE ALERTやIKAZUCHIは「クマを確実に追い払える魔法の装置」ではなく、接触リスクを下げるための補助的な安全対策と理解するのが適切です。
❌ クマを倒せるのか?
結論から言うと、倒せません。BE ALERTもIKAZUCHIも、クマを殺傷したり、麻痺させたり、捕獲したりする装置ではありません。目的はクマを傷つけることではなく、人とクマが近づきすぎる前に危険を知らせ、距離を取ることです。
「撃退機」という名前に惑わされない
「撃退機」という名前だけを見ると、クマを物理的に倒せるように感じるかもしれません。しかし実際には、音や光で接近を抑えるための装置です。メーカー側も、BE ALERTについて「完全な安全を保証するものではない」と明記しています。装置があっても油断しないことが大切です。
🏢 作っている会社はどんな会社?
BE ALERTとIKAZUCHIを展開しているのは、岐阜県大垣市の株式会社防除研究所です。同社は2003年(平成15年)7月設立の、害獣・害虫駆除や衛生管理を手がける会社です。
同社の会社情報によると、関東から九州まで複数の拠点を持ち、年間約2,000件以上の施工実績があるとされています。ネズミ、ハト、コウモリ、シロアリ、ハチ、トコジラミなどの駆除・衛生管理を手がけており、クマ対策製品は、これまでの害獣対策の知見をもとに展開している新しい分野といえます。
🗣️ 利用者の声や導入事例はある?
現時点で公開情報を確認する限り、BE ALERTやIKAZUCHIについて、自治体名や施設名を明示した詳しい「導入後レビュー」はまだ多くありません。
ただし発売後の反響は大きく、CBCの報道によると、発売からおよそ2か月で100以上の企業・自治体から問い合わせがあったとされています。防除研究所は今後、BE ALERTの設置事例、IKAZUCHIの実地検証レポート、自治体・企業での導入事例などを発信していくと発表しています。
📊 現段階の見方
「注目度は高いが、実際の運用実績や効果検証は今後確認していく段階」と見るのがよさそうです。導入を検討する場合は、メーカーが今後公表する検証データや導入事例も合わせて確認するのがおすすめです。
🧭 導入すれば安心、ではない
AI検知システムや撃退音は、クマ対策として有力な選択肢のひとつです。しかし、それだけで安全が保証されるわけではありません。クマ対策では、次のような基本対策も欠かせません。
- 生ゴミを外に放置しない
- 果樹や農作物の管理をする
- クマの出没情報を確認する
- 夜間や早朝の単独行動を避ける
- 出没時の通報先を決めておく
- 施設内で避難ルールを共有しておく
- 子どもや高齢者がいる施設では避難導線を確認する
AIカメラや撃退機は、こうした基本対策を置き換えるものではありません。むしろ、基本対策に加えて「早く気づく」「近づかせない」「人に知らせる」ための補助装置として使うものです。地域ごとの正しい対処は、環境省や自治体が出すクマ対策情報も必ず確認してください。
💡 まとめ:「見つける・知らせる・近づけない」予防の道具
BE ALERTは、AIカメラでクマを検知し、警告音声や撃退音で人とクマの接近を防ぐことを狙った固定型システム。IKAZUCHIは、クマと遭遇してしまったときに音と光で接近を抑えることを目的とした携帯型装置です。
- どちらもクマを倒す装置ではない(殺傷・捕獲はしない)
- クマを確実に逃がせる保証もない(効くクマ・効かないクマがいる)
- 役割は「見つける・知らせる・近づけない」予防型の補助
- 価格・仕様は導入形態や時点で変わる——必ず公式に確認
- 生ゴミ管理・出没情報確認・単独行動回避などの基本対策が前提
クマの出没リスクが高まる地域や、人が集まる施設では、予防型の安全対策として今後さらに注目される可能性があります。導入を検討する場合は、製品の性能だけでなく、設置場所・電源・通知方法・警報が鳴った後の対応・避難ルール・通報体制まで含めて考えることが重要です。
⚠️ 注意: 本記事はメーカーの公表情報・各種報道(執筆時点)をもとに整理した解説であり、特定製品の購入を推奨するものではありません。価格・仕様・対応条件は変更される場合があります。導入の可否や費用は、必ずメーカーおよび販売元の最新情報でご確認ください。クマの出没・遭遇時の対処は、環境省や各自治体の案内に従ってください。
💬 この記事が役に立ったら、クマの出没が気になる地域のご家族・職場にもシェアしてください。「倒す装置ではなく、早く気づくための道具」という理解が、安全な距離を保つ第一歩になります。
参考・出典
- 株式会社防除研究所(公式サイト)
- PR TIMES「AIによるクマ検知・警告・撃退カメラ『ベアラート』2026年3月31日発売開始」(株式会社防除研究所)
- PR TIMES「音と光でクマを寄せ付けない携帯型クマ撃退器『イカズチ(IKAZUCHI)』発売」(株式会社防除研究所)
- PR TIMES「携帯型クマ対策機器『IKAZUCHI』、東京都立産業技術研究センターで第三者測定を実施」(株式会社防除研究所)
- PR TIMES「全国で相次ぐクマ出没、企業・自治体から対策相談が増加」(株式会社防除研究所)
- CBCニュース/TBS NEWS DIG「AIがクマだけを識別 苦手な音で追い払う『ベアラート』 発売から2か月で100以上の企業などから問い合わせ」
- 環境省「クマに関する各種情報・取組」
