「P@ssw0rd!」は安全?10個を漏洩データで検証した結果
「P@ssw0rd!」のように大文字・数字・記号を混ぜれば安全――そう思っていませんか。

大文字と数字と記号を入れたから、もう十分に強いと思っていたよ。

見た目より、同じ作り方がすでに知られているか、別サイトへ使い回していないかが重要です。今回は数字で確かめます。
※本記事には広告リンクが含まれます。検証結果と出典確認は、紹介する商品やサービスとは切り分けて実施しています。
公開ダミーのパスワード10個を、Have I Been Pwnedの漏洩パスワードデータで照合しました。結果は、123456が2億1046万1208回、P@ssw0rd!も11万9515回。25文字の有名な長文パスワードにも4173回の一致がありました。
先に結論:複雑そうな見た目より、「使い回さない・管理ツール・パスキー/MFA」の3つが重要です。
人が思いつきやすい文字列や有名なフレーズは先に試されます。サイトごとに固有の長い文字列を使い、覚える作業は管理ツールへ任せましょう。
動画で10個の検証結果を見る
動画の続き|30秒チェック
動画を見た方は、ここだけ確認してから次へ
パスワード10個の実測結果
2026年7月17日に取得した結果です。回数は、Have I Been PwnedのPwned Passwordsデータ内で、その文字列が漏洩データに登場した回数を示します。
同じ公開ダミー10個を同じk-anonymity方式で再取得し、10件すべてが前日と同じ回数であることを確認しました。
| 公開ダミー文字列 | 一致回数 | 分かったこと |
|---|---|---|
123456 | 210,461,208回 | 単純な連番は最優先で試される |
password | 52,372,427回 | 辞書にある単語は極めて弱い |
qwerty123 | 13,871,714回 | キーボード配列+数字も定番 |
P@ssw0rd! | 119,515回 | 記号への置き換えは既知の型 |
Password1! | 584,516回 | 大文字・数字・記号を入れても定番なら弱い |
sakura2026 | 2回 | 名前や年の組み合わせも候補になる |
tanaka1980 | 63回 | 個人に近い情報は推測材料になる |
correcthorsebatterystaple | 4,173回 | 長くても有名な文字列は共有されている |
midorisora-kumo-hoshi-2026 | 0回 | 今回のデータでは一致なし |
g7V!q2Z#n9Lp@4Rx | 0回 | 今回のデータでは一致なし |
動画と記事で公開した時点で、すべて「知られている候補」です。0回は安全証明ではなく、取得時点でデータに一致しなかったという意味です。
実物のパスワードを送らずに調べる仕組み
- パソコン内で調べたい文字列をSHA-1ハッシュへ変換する
- ハッシュの先頭5文字だけを照会先へ送る
- 同じ先頭5文字を持つ候補一覧を受け取る
- 残りの文字を手元で照合し、一致回数を確認する
この方式はHave I Been Pwned公式APIのk-anonymityモデルです。照会先へ元のパスワード全体を送らずに一致を確認できます。今回の検証は、記事用に作った公開ダミー文字列だけで実施しました。
なぜ記号を混ぜても破られるのか
攻撃者は、すべての文字を無作為に一から試すとは限りません。過去に漏れた文字列、辞書の単語、名前、年、末尾の数字、aを@へ変えるような定番置換を先に試します。
そのため「大文字・小文字・数字・記号を全部入れた」という条件を満たしても、Password1!のような作り方では独自性がありません。現在のNIST SP 800-63Bも、既知・一般的・侵害済みのパスワードをブロックリストで拒否する考え方を示しています。
0回でも使い回しが危険な理由
長くて独自の文字列でも、複数サイトへ使い回せば、1か所から漏れた瞬間に他サイトの鍵になります。強い文字列を一つ考えるより、サイトごとに別の鍵を持つことが先です。
変更の優先順位は、メール、金融、買い物です。メールを取られると、他サービスのパスワード再設定にも使われます。
今日変える3手順

0回だった長い文字列なら、そのまま自分のパスワードにしてもいい?

いいえ。記事で公開した時点で秘密ではありません。管理ツールで、サイトごとに新しい固有の文字列を生成してください。
1. 重要アカウントの使い回しを止める
- 最優先:メール
- 次:銀行、証券、決済
- 次:通販、携帯会社、クラウド
2. パスワード管理ツールへ任せる
サイトごとに長くランダムな文字列を自動生成し、保存します。自分で何十個も暗記する必要はありません。詳しい選び方と初期設定はパスワードマネージャー完全ガイドで確認できます。
3. パスキー、なければMFAを使う
対応サービスではパスキーを優先します。パスキーは共有するパスワードを前提とせず、フィッシング耐性を持つ認証方式です。未対応のサービスでは、固有パスワードに認証アプリなどのMFAを追加します。FIDO Allianceのパスキー解説も参照してください。
実行に使う選択肢(PR)
自分で覚えやすいパスワードを考えるのではなく、管理ツールの自動生成か、対応サービスのパスキーへ移すための入口です。
5分チェックリスト
- メールと他サービスで同じパスワードを使っていない
- 金融・決済・通販はそれぞれ固有のパスワード
- 管理ツールの自動生成を使っている
- 使えるサービスではパスキーを設定した
- パスキーがないサービスはMFAを有効にした
パスワード全体の作り方はパスワードの安全な作り方、パスキーの導入はパスキー入門もあわせて確認してください。
出典・確認先
検証日:2026年7月17日、再照合:2026年7月18日。漏洩データは更新されるため、回数は今後変化します。実際に使っているパスワードを、正体の分からない確認サイトへ入力しないでください。
