PR 本記事には広告(Amazonアソシエイト・もしもアフィリエイト・A8.net等)が含まれます。掲載情報の正確性には努めていますが、商品の詳細は必ずリンク先で最新情報をご確認ください。

4桁PINは何秒?1万通り実測と、よく選ばれた4桁コード・パスワードランキング

ずんだもんと四国めたんが4桁PIN全1万通りのPC内実測結果、約0.68ミリ秒を紹介する画像
安全に生きたい編集部
🛡️ この記事について:情報処理安全確保支援士(IPA認定 国家資格)保有者が、公開ダミーだけを使ったローカル実験と、OS各社・FIDO・学術研究の公開資料を2026年8月1日に突き合わせて作成しました。実アカウントや実機のロック解除は試していません。 → 編集方針・運営者情報

4桁・6桁・8桁PIN × 3×3パターン × パスキー

4桁PINの全1万通りをPC内で照合。
1スレッド中央値は約0.68ミリ秒

ただし、これはスマホを0.68ミリ秒で解除した結果ではありません。短い秘密の「候補数」と、人が選ぶ番号の「偏り」、実機が連打を止める仕組みを分けて確認します。

10,000通り4桁PINの候補数
389,112通り古典的3×3パターン
偽サイトで拒否ローカルのパスキー実証

0.68ミリ秒なら、4桁PINのスマホは一瞬で開けられるってこと?

そこは別だよ。今回測ったのはPC内の模擬データ。実機には試行遅延やロックアウトがある。でも、4桁は候補が1万しかなく、人がよく選ぶ番号はさらに先に狙われる。この2点を数字で見ていこう。

先に結論:見るべきは「速さ」より3つの違い

候補数は少ない4桁は1万、6桁は100万、8桁は1億。桁が2つ増えると100倍
人の選択は偏る連番・同じ数字・年・キー配列は、均等な1万通りより先に試される
実機は連打を止める端末側の保護と、PINそのものの候補数は別の防御

今回のPC内実測は、短いPINの候補空間を同じ条件で比較するための模型です。4桁PINが弱い理由は「0.68ミリ秒」という特定PCの数字そのものではなく、候補が1万通りに固定されることにあります。さらに、人は1万通りから均等に選びません。

ここだけは混同しない:Webサービスのパスワード、スマホの解除PIN、銀行・カードの暗証番号は、用途も試行制限も違います。以下のランキングは、どの母集団から得た数字かを表ごとに分けています。

実際に選ばれた4桁コードランキング

最も具体的な公開資料の一つが、Daniel Amitay氏が2011年にiPhoneのロック画面を模したアプリ内で記録した20万4,508件の4桁コードです。iPhone本体の解除コードそのものではありませんが、「人が4桁を選ぶときの偏り」を見る資料として、後年のスマホPIN研究でも参照されています。

順位4桁コード選ばれやすい理由の例
11234最も単純な連番
20000同じ数字の繰り返し
32580テンキー中央を縦に移動
41111同じ数字の繰り返し
55555中央キーの繰り返し
65683英字キーで「LOVE」
70852キー配列上の移動
82222同じ数字の繰り返し
912122桁の反復
101998年として選びやすい

上位10通りだけで全体の15%を占めました。1万通りのうち0.1%しか見ていないのに、約7人に1人分へ当たる偏りです。

ランキングの限界:2011年のアプリ内データで、現在の日本人や全スマホ利用者を代表する調査ではありません。ここから「10回試せば今のスマホが15%開く」とは言えません。使っている番号が表にあるなら、避ける理由は十分ある、という見方をしてください。

Webパスワードで多かった文字列ランキング

PINとは別に、英国NCSCは2019年、世界の公開済み侵害データから繰り返し現れたパスワードを集計しました。順位は「今使っている人の人数」ではなく、侵害データ内で確認された規模です。

順位パスワード侵害データ内の確認規模
11234562,320万件
2123456789770万件
3qwerty380万件
4password360万件
51111111310万件

古い集計だけの話でもありません。NordPassの2025年版は、2024年9月から2025年9月までの公開侵害・ダークウェブ資料を分析し、123456が7回の調査中6回目の世界1位になったと報告しています。連番、キーボード配列、一般単語は、今も最初に試される候補です。

自分の文字列を探したい場合:実際のパスワードを検索欄へ直接貼り付けないでください。当サイトでは、公開ダミー10件だけをHave I Been Pwnedのk-anonymity方式で照合した漏えいパスワード検証を公開しています。

4桁・6桁・8桁を同じPCで全数照合

実験では、Rust 1.90のrelease buildを使い、候補を固定長ASCIIへ変換し、ソルトなしSHA-256を1回計算してダミーの正解と比較しました。Intel Core i7-13700F、1スレッドで全候補を最後まで処理した中央値です。

桁数全候補実行回数全探索1回分の中央値中央処理速度
4桁10,0001,000回をまとめて計測×70.0006811596秒
約0.68ミリ秒
14,680,847候補/秒
6桁1,000,00010回をまとめて計測×70.06859639秒
約0.07秒
14,578,027候補/秒
8桁100,000,000単独計測×37.1309721秒
約7.1秒
14,023,334候補/秒

極端に短い4桁と6桁は、一回ずつ計時すると時計を読む固定費の影響が大きくなります。そこで全探索を1計測内で1,000回・10回繰り返し、合計を割り戻しました。全桁で処理速度が約1,400万候補/秒にそろっていることも確認できます。

変わらない数字/変わる数字:4桁が1万通り、6桁が100万通り、8桁が1億通りという候補数は変わりません。一方、秒数はCPU、実装、ハッシュ方式、ソルト、反復回数で大きく変わります。

ブログだけの補足:24論理スレッドを使った場合

同じPCで24論理スレッドを使った補足値です。動画では同条件の比較を優先し、1スレッド値だけを採用しました。

桁数全候補中央値中央処理速度
4桁10,0000.0000661361秒151,203,352候補/秒
6桁1,000,0000.00723428秒138,230,757候補/秒
8桁100,000,0000.5948319秒168,114,723候補/秒

頻出候補から試すと何が変わる?

MarkertほかのスマホPIN研究では、利用者が選んだデータから作った頻度順モデルで、4桁PINは最初の10候補で4.6%、30候補で7.6%、100候補で16.2%が的中すると推定されました。

推測回数4桁PINの推定成功率意味
10回4.6%均等な1万通りなら0.1%だが、人の選択偏りで上がる
30回7.6%連番・反復・年などを先に試すモデル
100回16.2%実機へ100回連打できるという意味ではない

6桁に増やしても、123456や誕生日のような規則的な値を選べば、100万通りの利点を十分に使えません。桁数を増やすなら、推測されにくい値を端末に生成させるか、少なくとも生年月日・記念日・電話番号・住所と結び付く値を避けます。

Android方式3×3パターンは38万9,112通り

古典的なAndroid 3×3方式として、長さ4〜9、同一点の再利用なし、中点を飛び越える場合はその点が既に選択済み、というルールで全パターンを生成しました。

長さ有効パターン数
4点1,624
5点7,152
6点26,016
7点72,912
8点140,704
9点140,704
合計389,112

点列の生成とSHA-256計算は5回中央値で約25ミリ秒でした。これは指でなぞった時間でも、実機を解除した時間でもありません。研究モデルでは、人が選んだ4,637件のパターンを使った交差検証で、最初の100候補による推定成功率が35.5%でした。開始点や形にも偏りがあるため、理論上の38万9,112通りを均等に使えているわけではありません。

では、なぜスマホは一瞬で開かないのか

実機は、入力を受けるたびに保護された領域で照合し、失敗回数に応じて待ち時間やロックアウトを入れます。攻撃者がPC内のダミーハッシュへ毎秒何百万回照合できても、画面から同じ速度で入力できません。

1iPhone・iPad

Secure Enclaveが誤入力後の遅延を強制。回数が増えるほど待ち時間が長くなります。

2Android

Gatekeeper/WeaverなどがTEEやSecure Element側で試行回数を制限します。

3Windows Hello

PINは端末の鍵に結び付き、失敗時はA1B2C3チャレンジや一時停止が入ります。

待ち時間や上限はOS版・端末・管理設定で異なります。それでも結論は共通です。実機の試行制限を更新された状態で使うことと、推測されにくい解除コードを選ぶことは、どちらも必要です。

パスキーは偽サイトでどう動いた?

Microsoft Edgeの仮想認証器とローカルHTTPS環境を使い、正規側をreal.test、別の偽サイト側をfake.testとして試しました。実アカウント、外部通信、物理的な生体情報は使っていません。

正規サイトreal.testでパスキー認証と署名検証に成功したローカル実験画面
正規側:RP ID、origin、challenge、署名、ユーザー確認を検証して成功
偽サイトfake.testから正規サイト用パスキーを要求して拒否されたローカル実験画面
別RP側:同じ資格情報IDを指定してもNotAllowedErrorとなり、署名イベントは0件

パスキーは、長いパスワードを自動入力する仕組みではありません。登録先のRP IDに結び付いた秘密鍵で署名し、サービス側は公開鍵で検証します。今回、fake.testからreal.test用の資格情報を要求しても、認証器は正規サイト用の署名を返しませんでした。

パスキーの強み:使い回す共有文字列をサーバーへ送りません。正規サイトそっくりの別ドメインへ、利用者が秘密を入力して渡す攻撃の形を変えられます。
パスキーだけで全部は守れない:解除済み端末、弱い端末ロック、アカウント復旧、残したままの旧パスワードは別の入口です。対応サービスで古いパスワードを削除できる場合は、パスキーだけに切り替えます。

今日変える3項目

  1. 端末のPINを見直す:1234、同じ数字、誕生年、電話番号の一部、テンキーの直線を避けます。選べるなら6桁以上にします。
  2. 端末と復旧経路を更新する:OS更新、盗難時保護、アカウントの復旧先メール・電話番号、バックアップコードを確認します。
  3. 対応サービスをパスキーへ移す:まずメール、Apple/Google/Microsoftアカウント、金融・決済など重要度の高い順に設定します。旧パスワードを削除できない場合は、固有の長いパスワードとMFAを残します。

結局、4桁を6桁に変えて、パスキーも使えばいいんだね。

その順で大丈夫。桁を増やしても誕生日にしない、端末の試行制限を古いOSのままにしない、パスキーを設定しても復旧経路を放置しない。この3点まで一緒に見直そう。

よくある質問

Q. 4桁PINなら0.68ミリ秒でスマホを解除できますか?

A. できません。0.68ミリ秒はPC内で作った単純な模擬データを1スレッドで全数照合した値です。スマホは保護領域で照合し、誤入力に待ち時間とロックアウトを入れます。

Q. 6桁なら必ず4桁の100倍安全ですか?

A. 候補数は100倍ですが、誕生日や連番を選べば頻出候補として先に試されます。ランダム性と実機の試行制限を含めて考えます。

Q. AndroidパターンはPINより安全ですか?

A. 理論上の候補数だけでは決められません。人は似た開始点や形を選びやすく、研究モデルでは100候補時の推定成功率が4桁PINより高い結果でした。端末の仕様と選び方の両方が重要です。

Q. パスキーならパスワード管理は不要ですか?

A. すべてのサービスがパスワードを削除できるわけではありません。残るサービスには固有の長いパスワードとMFAが必要です。パスキーを保管する端末やパスキーマネージャーも守ります。

次に読む記事

まとめ:短い秘密と、実機の防御を分けて考える

  • 4桁PINは1万通り。今回のPC内模擬実験では1スレッド中央値約0.68ミリ秒だった
  • 実際に選ばれた4桁コードには連番、同じ数字、テンキーの直線、年の偏りがある
  • 実機はSecure Enclave、TEE、Secure Element、TPMなどで連続試行を止める
  • 古典的3×3パターンは38万9,112通りだが、人の選択は均等ではない
  • パスキーは正規サイト用の秘密鍵を別RPの偽サイトへ渡さない
  • 端末ロック、復旧経路、残存パスワードはパスキーとは別に守る

今日の実行順は、頻出PINをやめる、端末と復旧先を更新する、対応サービスをパスキーへ移すです。速さの数字だけで怖がるより、攻撃を止める層を一つずつ増やしてください。

参考にした公式・一次資料

実証日:2026年7月31日、記事最終確認:2026年8月1日。ランキングは各資料の公開年・母集団が異なります。記事中の公開ダミーやランキング掲載値を、自分のPIN・パスワードとして使用しないでください。

記事URLをコピーしました