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🕵️‍♂️アサヒGHDを襲った「空白の10日間」の謎。ハッカーはVPNから入って何をしていたのか?

ric.rip.ccc@gmail.com
Contents
  1. はじめに:衝撃の会見内容と事件の概要 🍺💥
  2. 侵入の起点:なぜ「VPN」が突破されたのか? 🚪🔓
  3. 権限昇格の恐怖:侵入者はどうやって「神」になったのか? 🔑😈
  4. 謎の「空白の10日間」:ハッカーは何を準備していたのか? ⏳🕵️‍♂️
  5. 復旧の壁:「バックアップ」があるのになぜ2ヶ月かかったのか? 💾🐢
  6. 今後の対策と教訓:さらばVPN、「ゼロトラスト」へ 🛡️🚀
  7. まとめ:現代のサイバー攻撃は「空き巣」ではなく「占拠」である 📝

はじめに:衝撃の会見内容と事件の概要 🍺💥

みなさん、こんにちは!👋

今年の9月末ごろ、「あれ?コンビニにアサヒのビールが置いてない…?」って不思議に思ったこと、ありませんでしたか?🤔

実はあれ、アサヒグループホールディングス(以下、アサヒ)が大規模なサイバー攻撃を受けて、システムがダウンしていたからなんです💥

長い間、詳細が語られず沈黙が続いていましたが… ついに11月27日、アサヒGHDが記者会見を開き、その全貌を明らかにしました!🎤

アサヒGHDの記者会見ノーカット版です(約2時間)

そこで語られた「被害の規模」が衝撃的…📉

会見で社長の口から語られた事実は、私たちが想像していたよりも遥かに深刻なものでした。

  • 😱 個人情報漏洩の恐れ:なんと約191万件!
    • お客様相談室への問い合わせや、取引先、従業員の情報などが含まれているそうです。
  • 🚚 物流が完全ストップ!
    • 受発注システムが使えなくなり、現場は**「紙とFAXと電話」**のアナログ対応(昭和スタイル!)でなんとか商品を届けていたとのこと。

この記事の目的:ニュースじゃわからない「裏側」へ🕵️‍♂️

テレビや新聞では「大変だったね」「情報漏洩が心配だね」という話が中心ですが、私がしりたいのはそこじゃありません。

  • 「なぜ、NIST(米国基準)の対策をしていた大企業が突破されたのか?」
  • 「侵入から発症まで10日間もあったのに、なぜ検知できなかったのか?」

今回の記事では、会見で明かされた事実をベースに、一般的なニュースでは報じられない**「攻撃の技術的裏側」**を、セキュリティエンジニアの視点でガッツリ解説していきます!👨‍💻🔍

アサヒを襲ったハッカーの手口とは?そして「空白の10日間」に何が行われていたのか? そのミステリーを一緒に紐解いていきましょう!🚀

侵入の起点:なぜ「VPN」が突破されたのか? 🚪🔓

鉄壁と思われたアサヒのセキュリティ。その最初のドミノが倒れたのは、企業の「玄関口」であるVPN装置でした。

会見で語られた事実と、そこから見える技術的な背景を紐解いてみましょう。

🟢【事実】「既知の脆弱性」が狙われた

会見で社長は、侵入経路について以下のように認めました。

  • 侵入元: グループ拠点にある**「ネットワーク機器(VPN)」**。
  • 機種: 記者から「Fortinet社のVPN製品ではないか?」と問われ、「具体的な名前は言えませんが、ご想像の通りです」というニュアンスで肯定🤭
  • 脆弱性の種類: 誰も知らない未知のバグ(ゼロデイ)ではなく、**「既知の脆弱性(すでに修正パッチが出ているバグ)」**だった。
  • 対策: 復旧の過程で、VPNは全廃止した🚫

つまり、「対策しようと思えばできたはずの穴」を突かれてしまったのです…。

🔴【解説】VPNの脆弱性って、そんなにヤバいの?

VPN tunnel security diagramの画像

本来、VPNは上の図のように、インターネット上に「暗号化された安全なトンネル」を作る技術です。このトンネルを通るには、普通なら「ID・パスワード」や「スマホ認証(多要素認証)」という厳しい関所を通らなければなりません。

しかし、今回悪用されたと見られる脆弱性は、この関所を無効化する恐ろしいものでした😱

🐛 認証回避(Authentication Bypass)

これ、最悪のバグです。 本来なら警備員(認証システム)に身分証を見せないといけないのに、特定の不正なデータを送りつけるだけで、警備員が「どうぞ〜」と通してしまうイメージです。 どんなに複雑なパスワードを設定していても、パスワード入力画面すら出ずに侵入されてしまうのです。

🐛 ID・パスワードの奪取

さらに、VPN装置のメモリに残っている**「今ログインしている他の人のIDとパスワード」が丸見えになる**バグも存在します。これを使われると、正規の社員になりすまして堂々と侵入されてしまいます。


🤔 なぜ「NIST基準」や「EDR」で防げなかったの?

ここが最大の疑問ですよね。「世界標準のNIST基準で対策してた」「EDR(監視ソフト)も入れてた」のに、なぜ?

理由は大きく2つ考えられます。

理由①:パッチ適用の「タイムラグ」が命取りに⏰

「既知の脆弱性」ということは、メーカーから修正パッチ(絆創膏)が出ていたはずです。 しかし、最近のハッカーはパッチが公開されてから数時間〜24時間以内に世界中のVPN機器をスキャンして攻撃を仕掛けてきます。

アサヒ側が「週末にパッチを当てよう」と数日待っている間に、攻撃者が先に侵入してしまった可能性があります。あるいは、**「侵入されたことに気づかずにパッチを当てて安心していた(裏口を作られた後だった)」**というケースも考えられます。

理由②:EDRの「死角」だった🕵️‍♂️💦

アサヒはPCやサーバーには「EDR」という監視カメラを入れていました。 しかし、VPN装置そのものにはEDRをインストールできないことが多いんです(専用のOSで動いているため)。

つまり、「玄関(VPN)がこじ開けられる瞬間」は監視カメラ(EDR)に映らなかった。 攻撃者が玄関を突破し、社内のサーバー(監視カメラの範囲内)に足を踏み入れるまで、アラートが鳴らなかったのです。

まさに、セキュリティの「隙間」を突かれた侵入劇だったと言えます😰

権限昇格の恐怖:侵入者はどうやって「神」になったのか? 🔑😈

VPNという「玄関」を突破されたアサヒ。でも、実はこの時点ではまだ、会社全体を乗っ取ることはできません。

ゲームで例えるなら、まだ「レベル1の村人」が城の敷地に入っただけ。王様の部屋(重要データ)には鍵がかかっていて入れないんです🏰🔒

しかし、攻撃者はそこから恐ろしい手口を使って、あっという間に**「全知全能の神(管理者)」**へとレベルアップしてしまいました。

🟢【事実】「パスワードの脆弱性」で鍵を奪われた

会見で勝木社長は、侵入後の動きについてこう説明しました。

  • 「パスワードの脆弱性を突いて、管理者権限を奪取した」
  • 「ダッシュ(奪取)したアカウントを悪用して、ネットワーク内を探索した」

さらっと言っていますが、エンジニアからすると、ここが一番の「詰み」ポイントです。「管理者権限を取られた」=「ゲームオーバー」を意味するからです💀

🔴【解説】「侵入=即攻撃」ではない!恐怖のすごろく🎲

VPNで入ってから、どうやって全社を支配したのか? その手口は、まるで**「すごろく」のように一歩ずつ進んでいくものでした。これを専門用語で「ラテラルムーブメント(横展開)」「権限昇格」**と呼びます。

Step 1:まずは「一般人」として潜入 👤

VPNを突破した直後、攻撃者はまだ「一般社員Aさん」くらいの権限しか持っていません。これでは、自分のPCは見れても、隣の部署のサーバーや、工場の制御システムまでは触れません。

Step 2:社内をウロウロして「落とし物」を探す 🔍

攻撃者は社内のセキュリティが甘いサーバーやPCを探して飛び移ります。そして、**「メモリの中に残っている他人のパスワード情報」**を探し回ります。 (※専門的には「Mimikatz」などのツールを使って、PCのメモリからログイン履歴を引っこ抜く手法がよく使われます)

Step 3:見つけた!「神の鍵(ドメイン管理者)」 🗝️✨

もし、情シス担当者がメンテナンスのためにログインしたPCに攻撃者が侵入できたら…? そこで、情シス担当者のIDとパスワード情報を盗み出します。

これが手に入ると、**「ドメイン管理者(Domain Admin)」**への昇格完了です。

Step 4:全サーバーを支配下に 😈

ドメイン管理者権限があれば、アサヒグループ内の:

  • ✅ すべてのサーバー
  • ✅ すべての社員のPC
  • ✅ バックアップシステム

これら全てに、パスワードなしで「神」としてアクセスし放題になります。 会見で「複数のサーバーへ侵入と偵察を繰り返した」と言っていたのは、この「神の鍵」を使って、堂々と正面玄関から重要サーバーに入りまくっていた状態だったのです😱

こうなってしまっては、もうEDR(監視ソフト)だろうが何だろうが、管理者の権限で「オフ!」にされてしまうので、誰も止めることはできません…。

謎の「空白の10日間」:ハッカーは何を準備していたのか? ⏳🕵️‍♂️

「侵入されたのが9月19日頃。でも、実際にシステムが止まったのは9月29日。」

この話を聞いて、「あれ?10日間も何してたの?サボってたの?」って思いませんでしたか?🤔

実はこの**「空白の10日間」こそが、今回の事件がただのウイルス感染ではなく、プロの犯罪集団による「計画的な破壊工作」**だった証拠なんです。

🟢【事実】侵入から発症まで「タイムラグ」があった

会見での時系列をおさらいしましょう。

  • 9月19日頃: ネットワーク機器から侵入🚪
  • (この間、約10日間)
  • 9月29日 早朝: ランサムウェアが一斉に起動し、システムダウン💥

社長は「業務時間外(夜中など)に、コソコソと偵察を繰り返していた」と説明しました。

🔴【解説】プロの手口「Human-operated ransomware」とは?

昔のランサムウェアは、メールを開いた瞬間にPCが固まる「通り魔」のようなものでした。 しかし、今回アサヒを襲ったのは**「人間が操作するランサムウェア(Human-operated ransomware)」**と呼ばれるタイプです。

彼らにとっての10日間は、サボっていたどころか、**「企業を確実に仕留めるための準備」**で大忙しだったのです💦 具体的に何をしていたのか、エンジニア視点でプロファイリングしてみましょう。

Phase 1:社内マップを作る「偵察」🗺️👀

大企業のネットワークは巨大な迷路です。侵入したばかりのハッカーは、どこに何があるか知りません。 そこで、正規の管理者のふりをして社内を探索します。

  • 「一番大事な売上データが入ってるサーバーはどれだ?」
  • 「工場のラインを動かしているシステムはどこだ?」
  • 「バックアップはどこに保存されてる?」

こうやって、**攻撃の効果が最大になる急所(重要資産)**をリストアップしていたのです。

Phase 2:データを盗み出す「窃盗」📤💨

ここが一番許せないポイントです😤 今回「191万件の個人情報漏洩の恐れ」が出たのは、このフェーズがあったからです。

最近のハッカーは、データを暗号化する前に**「機密情報を外に持ち出す」んです。これを「二重恐喝(ダブルエクストーション)」**と呼びます。

  • 脅し文句: 「暗号化を解除してほしければ金払え。払わないなら、盗んだこの個人情報をネットにばら撒くぞ!」

何百GB、何TBものデータをこっそり外部に送るには時間がかかります。この10日間は、まさにデータを盗むための時間でもあったわけです。

Phase 3:警備システムを壊す「工作」🛡️🔨

アサヒ側も「EDR(高度な監視ソフト)」を入れて守っていました。 でも、いきなり攻撃を始めるとEDRにバレてしまいます。

そこで、奪った「神の権限(管理者権限)」を悪用して…

  • EDRの機能を強制オフにする🔕
  • 検知ログ(足跡)を削除する🧹
  • 「最後の砦」であるバックアップデータを破壊・削除する💣

こうやって、アサヒ側が気づかないうちに、反撃の手段を一つずつ潰していたのです。怖すぎる…。


つまり、この「空白の10日間」は、**「泥棒が家に入り込んで、金目のものをトラックに積み込み、最後に防犯カメラの線を切って、全部屋に時限爆弾を仕掛けていた時間」**だったのです。

アサヒ側が異常に気づいた時には、もう爆発(暗号化)が始まっていて、手遅れだった…。 これが、現代のサイバー攻撃の恐ろしい実態です😱

復旧の壁:「バックアップ」があるのになぜ2ヶ月かかったのか? 💾🐢

「バックアップデータは無事でした!消されていません!」 会見でそう聞いた時、多くの人がこう思ったはずです。

「え、じゃあそれをポチッと戻せば、明日には復旧できるんじゃないの?なんで2ヶ月もかかったの?」 🤨

ここが、システム担当者と一般の方の感覚が一番ズレるところであり、今回アサヒが一番苦しんだポイントでもあります。 実は、ランサムウェア攻撃におけるバックアップ復旧は、**「地雷撤去作業」**と同じくらい神経を使う作業なんです。

🟢【事実】バックアップは無事だったが、使えなかった

勝木社長の説明はこうでした。

  • 「バックアップ自体は健全な状態で残っていた」
  • 「しかし、安全確認と再構築に慎重を期したため、時間がかかった」 🐢

つまり、データはあるけど、**「怖くてすぐにはシステムに戻せなかった」**というのが真実です。

🔴【解説】恐怖の「汚染されたバックアップ」問題 🦠

なぜ怖くて戻せないのか? ここで思い出してください。**「ハッカーは10日前から社内にいた」**という事実を。

😱 理由①:バックアップの中に「犯人」も一緒に保存されている

もし、皆さんが「システムがおかしい!昨日のバックアップに戻そう!」として、データを復元したとします。 でも、その「昨日のデータ」の中には、**潜伏中のハッカーが仕込んだウイルスや裏口(バックドア)**もバッチリ保存されているんです。

これを何も考えずに本番サーバーに戻すとどうなるか? 復旧した瞬間に、隠れていたウイルスがまた暴れ出し、再感染して終了。 これを**「再感染ループ」**と呼びます。これが一番恐ろしいシナリオです💀

🏥 理由②:「クリーンルーム」での洗浄作業が超大変

じゃあどうやって直すのか? アサヒが行ったのは、汚れた泥水の中から、真水だけを一滴ずつ取り出すような気の遠くなる作業でした。

  1. クリーンルームの構築(隔離) 🚧
    • 一度侵入されたネットワークはもう信用できません。
    • 外部と完全に遮断された、真っさらな新しいサーバー環境(クリーンルーム)を用意します。
  2. フォレンジック(地雷撤去) 💣
    • バックアップデータをそのまま戻さず、まずは専門家がウイルススキャンをかけます。
    • 「このファイルは安全か?」「ここに不正なプログラムは隠れていないか?」を徹底的にチェックします。
  3. データの移行(引っ越し) 📦
    • 安全が確認されたデータだけを、新しいサーバーに移します。

アサヒグループのような巨大企業の場合、データの量はとんでもないサイズ(おそらくペタバイト級)です。 それをチェックして、安全な場所に移し替える…。 2ヶ月という期間は、サボっていたわけではなく、**「再感染を絶対に防ぐために必要な、ギリギリの期間」**だったと言えるでしょう😓


イメージとしては… 🏠 泥棒に入られて荒らされた家に、そのまま家具を戻すのではなく、 「別の場所に新築の家を建てて、家具を一つ一つ消毒しながら引っ越しさせた」 くらいの大工事だったと思ってください。そりゃあ時間もかかりますよね💦

今後の対策と教訓:さらばVPN、「ゼロトラスト」へ 🛡️🚀

「VPNが破られたら、中身は全部盗まれ放題」 この悪夢のような現実を突きつけられたアサヒGHD。

彼らが選んだ再発防止策は、VPNのセキュリティを強化することではなく、**「VPNそのものを捨てる」**という決断でした。

🟢【事実】VPN全廃とゼロトラストへの移行

会見で語られた今後の対策は非常に思い切ったものでした。

  • 🚫 VPNの廃止: 侵入の糸口となったVPN接続を完全にやめました。
  • 🔒 ゼロトラストへの完全移行: もともと計画していた「ゼロトラストアーキテクチャ」の導入を、今回の事件を受けて一気に前倒しで完了させました。

🔴【解説】「境界型防御」の崩壊と「ゼロトラスト」

これまでのセキュリティの常識は、お城を守るイメージでした。 これを**「境界型防御」**と呼びます。

  • 昔の守り方(境界型):
    • 「お城の門(VPN)」さえしっかり守れば、城の中(社内)は安全!
* **弱点:** 一度門を突破されたら、中の宝物は盗み放題😱

今回のアサヒの事件は、まさにこの「門(VPN)」が破られたことで、城内が蹂躙された典型例です。 そこで導入されたのが**「ゼロトラスト(何も信用しない)」**という新しい考え方です。

  • 新しい守り方(ゼロトラスト):
    • 「社内からのアクセスだから安全」なんて絶対に信用しない!🤨
    • 社長だろうが社員だろうが、ファイルにアクセスするたびに、アプリを開くたびに、「本当に本人?」「ウイルス持ってない?」と毎回しつこくチェックする
* **メリット:** もし侵入されても、一つ一つの部屋に鍵がかかっているので、被害が広がらない!✨

📝 この事件の教訓として

今回のアサヒの事例は、決して対岸の火事ではありません。 ランサムウェア攻撃者は、脆弱性があるサーバーを自動プログラムで無差別に探しています。

明日会社に行ったら、ぜひ以下の3点をチェックしてみてください!👉

  1. VPN機器のバージョン確認🚨
    • 「パッチ適用は週末でいいや」は命取りです。脆弱性情報は毎日チェックし、即時対応できる体制を作りましょう。
  2. 管理者権限の棚卸し🔑
    • 「とりあえず全員管理者でいいか」なんて設定になっていませんか?
    • 特権IDは最小限にし、普段使いのアカウントとは分けましょう。
  3. バックアップの「復元訓練」💾
    • 「バックアップ取ってるから安心」ではありません。
    • **「実際にそのデータからシステムを復旧できるか?」**を年に一度は訓練しましょう。いざという時、手順書がないとパニックになりますよ!

アサヒGHDの痛恨の教訓を、私たちの糧にしましょう。 「セキュリティ対策に終わりなし」。気を引き締めていきましょう!(`・ω・´)ゞ

まとめ:現代のサイバー攻撃は「空き巣」ではなく「占拠」である 📝

今回のアサヒグループホールディングスの事例は、私たちに**「サイバー攻撃に対する認識のアップデート」**を強烈に迫るものでした。

最後に、今回の事件から学ぶべき最も重要な教訓をまとめます。

🏠 昔のイメージ:「空き巣」

多くの人が持っているウイルス感染のイメージはこれです。

  • 手口: たまたま鍵が開いていた窓(不審なメール)から侵入する。
  • 行動: 目についた金品(データ)を盗んだり、部屋を荒らしたりして、すぐ逃げる。
  • 対策: 戸締まり(ウイルス対策ソフト)をすれば安心。

🏰 今の現実(アサヒの事例):「テロリストによる建物占拠」

しかし、今回起きたことは全く違いました。

  • 手口: 正面玄関の警備システムの不備(VPN脆弱性)を突き、正規の入館証を偽造して堂々と侵入。
  • 行動:
    • 10日間も建物内に潜伏し、館内図(ネットワーク構成)を熟知。
    • マスターキー(管理者権限)を複製し、あらゆる部屋に出入り自由になる。
    • スプリンクラー(EDR)の配線を切り、全フロアに時限爆弾(ランサムウェア)を設置。
    • 最も警備が手薄な日曜日の早朝に、一斉爆破スイッチを押す。

🛡️ 私たちが肝に銘じるべきこと

「ウイルス対策ソフトを入れているから大丈夫」 「バックアップを取っているから大丈夫」

この考え方は、もはや通用しません。相手はソフトの検知をすり抜け、バックアップごと破壊しに来るプロ集団です。

  1. 「侵入される前提」で考える(ゼロトラスト) 🕵️‍♂️
    • 壁を高くするだけでは防げません。「壁はいつか破られる」前提で、内部に侵入された後にどう被害を食い止めるか、どう早く気付くかを設計しましょう。
  2. VPNの脆弱性は「即」塞ぐ 🩹
    • 「明日やろう」は馬鹿野郎です。パッチ公開から攻撃までは数時間〜24時間の勝負です。
  3. 「特権(管理者権限)」は命よりも大事 🔑
    • ここさえ守れれば、全滅は防げます。特権IDの管理は厳重すぎるくらいで丁度いいのです。

アサヒグループの勝木社長が会見で語った**「被害拡大を防ぐために、復旧に2ヶ月かけた」**という判断は、経営者として非常に重く、そして勇気ある決断だったと思います。

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